焼き物を手に取るときの基本

           
  • 公開日:2019.03.07
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  • 最終更新日:2019.03.25
  • 陶器の雑学
焼き物を手に取るときの基本

意外と知らない焼き物の扱い方

皆さんはお店で陶器や磁器の焼き物を触るとき、片手で握って持ち上げたりしていないでしょうか?

片手でくるくる回しながら焼き物を物色している方は非常に危険です!

落として商品を傷つけたらもちろん弁償ですし、さらに他の焼き物の上に落としでもしたらと考えると大変な状況になるのは想像に難くないのではないでしょうか?

特に磁器は表面がツルツルした物が多く滑りやすいです。

冬場の冷たい磁器を温かい手で触ると、磁器の表面が温度差で曇る為、さらに滑りやすくなります。

身の回りに注意

陶器市などを散策する際、手ぶらで行くという方は少ないでしょう。

財布やスマートフォンを入れるバッグは持っていくでしょうし、買った商品を入れる為に大きめのリュックを背負って行く場合もあります。雨ならば傘を持っているはずです。

これらは散策に必要な物ではありますが、焼き物にとっては凶器にもなるのです。

傘は持ち込まない!

折角の休日。意気揚々と焼き物散策に出かけますが、天気に恵まれない事もあります。

海外では傘をささずレインコートを使うことが多いという話を聞きますが、日本では殆どの場合、傘をさします。

傘を店内に持ち込むのは焼き物にとっては非常に危険です。

まず、片手が塞がってしまうので、焼き物を両手で持つ際に邪魔になります。

また、常に傘に気を配る必要が出てきます。傘の先端まで気を配るのは中々大変です。

人間、集中力には限界があります。焼き物に気を取られ、つい傘のことを忘れてしまうと近くの焼き物を倒してしまうなんて事も考えられますし、他のお客さんに当たってしまいトラブルになる可能性もあります。

傘はお店の前の傘入れに入れて、店内に持ち込まないようにしましょう。

たまに傘入れを置いていないお店もあったりしますが、その時は店員さんに聞いて傘入れを出してもらう、店先に置いておく許可を得る、預かってもらうなど、とにかく傘は店内に持ち込まないことが重要です。

背後のリュックに要注意

リュックはとても便利です。たくさんの物が入りますし、両手が自由に使えるメリットがあります。

ですが、リュックを背負っての焼き物散策にはデメリットもあります。

人間の背後は死角になります。そして焼き物のお店は結構狭い場合もあります。

そんな状態でリュックを背負っていたらどうなるでしょうか?

答えは簡単です。

リュックが背後の焼き物に当たって「どんがらがっしゃーん」です。極論かもしれませんが、可能性はゼロではありません。

これは目も当てられない状況ですね。来月のお給料が弁償で全て吹き飛んでしまいます。それで済めばいいですが、数十万円もする高額なお皿だったりするとボーナスまで飛んでいきます。

ですので、面倒くさがらずリュックは必ず下ろして手に持つまたは、前に抱えるようにして店内を回り、焼き物を持つ時は両手で持てるようリュックは床に置いて、邪魔になったり倒れて焼き物に当たらないように足の間に挟むようにしましょう。

焼き物の持ち方

ここまでのお話で、身の回りの対策をしてきました。いよいよ店内へと足を踏み入れましょう。

いくら身の回りを注意しても、肝心の焼き物を持つ方法を間違うと、商品を傷つけてしまう結果に繋がります。

中には触ってはいけない作品も展示してある場合があります。注意書きがある場合が多いですが、注意書きも無く触っていいかわからない場合は、店員さんに聞いてみて下さい。

むやみに触らない

極論ですが、触らなければ傷つける事はありません。

ここでは「触ってはダメ!」だと言っている訳ではありません。店員さんも「ぜひお手に取ってみて下さい」と言ってくださります。

ですが、あれやこれや次々と手に取っていると、商品を傷つけてしまう可能性が高くなります。

もちろん最終的に購入するかどうかを決めるには、実際に手にとって手触りを確認するのは必要です。

ただ、買う気もない商品をベタベタと触ることだけは絶対に止めましょう。

指輪や時計は外す

ついつい忘れがちなのが、指輪や時計です。

焼き物も硬いですので、指輪や時計などの硬い物とぶつかると傷がつきます。

絵付けや釉薬が剥がれてしまったり、一部が欠けてしまったり。

指輪や時計は、初めから付けてこない方が外し忘れがなくおすすめです。

両手で持つ。高く持ち上げない。

焼き物は必ず両手で持ちましょう。片手より安定しますし、たとえ片方の手が滑ったとしてももう一方の手でカバーできます。

そして、高く持ち上げずに見ることが重要です。可能であれば棚や机に近いところで持つ方がベストです。

ここで棚や机に手を乗せて体重を掛けてはいけません。棚や机が傾いて置いてある焼き物を落としてしまう可能性があります。あくまで、近い場所で少しだけ持ち上げる程度にしましょう。

棚や机に近いところで持つことで、手が滑った場合、割れたり傷つけたりする可能性を低くすることができます。

この時、肩掛けバックにも注意が必要です。

焼き物を両手で持つと、バッグから手が離れるのでぶらぶらしてしまいます。バッグが焼き物に当たってしまわないようリュックと同様に床に置いたり、お連れの方に預かってもらうなどの対策をしましょう。

最後の決め手は触って決める

気に入った作品を見つけたら、最終的には必ず触って手触りを確かめてください。

この時、触る前に店員さんに触っていいかどうか確認した方がベストですね。

絵柄や形が気に入っていても、手触りが想像と異なる場合もありますし、湯のみやマグカップの場合、口をつけるわけですから、口当たり合わなければ、買ったは良いものの結局使わずに食器棚に入れっぱなしになります。

口を付ける部分を触ってみて、口当たりを想像した上で購入することをオススメします。(当たり前ですが実際に口を付けてはダメですよ!)

まとめ

焼き物を触る上で一番大切な事は、丁寧に扱う気持ちです。

その気持ちがあれば、自然と焼き物を扱う行動が変わってきます。

2019年も有田陶器市が開催されます。

毎年、多くの人が有田に訪れて焼き物を楽しみます。まだ行ったことがないという方は、ぜひ実際のお店で焼き物に触れてみていかがでしょうか?

第116回 有田陶器市

日程:2019年4月29日(月)〜5月5日(日)

写真協力:陶祥窯