陶器と磁器は何が違うのか? – 焼き物・基本の”き” –
- 公開日:2019.04.11
- 陶器の雑学

普段はあまり気にして使い分けることは少ない陶器と磁器。違いは何なのでしょうか?
違い

簡単に言ってしまえば、材料の違いで分けられます。
陶器は土、磁器は石が主な材料です。
そして、陶器と磁器をまとめて「焼き物」または「陶磁器」と呼んでいるのです。
陶器の材料
陶器の材料は土、つまり「粘土」です。
採土場と呼ばれる良質な粘土を採取する場所があり、沢山の粘土が採土されています。
では、粘土100%で陶器は作られるのかと言うと、そうではありません。
もちろん粘土だけでも作ることはできますが、ヒビ割れ等の問題が起こることが多いです。ですので、粘土に様々な成分を混ぜて、陶器を作るのに最適な粘土を作ってから使用するのが殆どです。
焼き物用の粘土を作って販売している会社もありますし、窯元さんによっては自分で作ったオリジナルの粘土を使い、作品を製作している場合もあります。
磁器の材料
磁器の材料は石です。
陶石と呼ばれる石を粉末にして、水で練り合わせた物を材料として利用しています。
元が石ですので、陶器にはない磁器特有の硬質的な肌が魅力の焼き物に仕上がります。

取り扱いの違い
一つは吸水性の違いです。磁器は原料が石ですので、殆ど水を通しませんが、土が原料の陶器は吸水性が高いです。
陶器も釉薬が掛かっているので基本は水を通さないのですが、場合によっては汁物での使用や後片付けには注意が必要です。
もう一つは、硬さの違いです。焼き物はどちらも割れ物ですが、より硬い磁器の方が取り扱いに注意が必要です。
硬い磁器は、硬い物とぶつけてしまうと、思いがけず簡単に欠けてしまったり、ヒビが入ってしまいます。
まとめ
材料の違いから、取り扱いの違い、陶器と磁器にはそれぞれ一長一短あります。
状況によって使い分けることで、それぞれの良さがわかると思います。
割れ物ですので、割らないように極力注意するのが普通ですが、ここで、ある窯元さんの言葉をご紹介します。
器はどんどん割ってください。そして、売り上げに貢献してください。
けど、お気に入りは割りたくないですよね。
雑記
有田陶器市まで1ヶ月を切りました。今年は、有田と波佐見の陶器市に行く予定です。
陶器市レポートも当ブログに掲載する予定ですのでお楽しみに!
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