有田焼 磁器始まりの地

ここから始まった

泉山。
この山が無ければ、有田は無名の地で終わっていたかもしれません。
陶石(磁器の原料)が採れた泉山。有田焼の創始者と言われる李参平(り さんぺい)がこの山で陶石を発見したことで、日本で磁器の生産が始まりました。(泉山の陶石発見者には諸説あります)
現在では泉山磁石場(いずみやまじせきじょう)と呼ばれ、国の史跡にも指定されています。
今の姿がこちらです。

もう山はありません。一説では写真の左奥に見える山(英山350m)と同じぐらいの高さがあった山だったのではないかと言われています。
1枚目の写真にある説明書きにも書かれていますが、「四百年かけてひとつの山を焼き物に変えた」という言葉が有田と泉山の歴史を物語っています。
現在では、ほとんど採掘が行われていません。一部、工業用の為の採石は行われていますが、有田焼の材料は現在、長崎・天草が産地の陶石が使われています。
かつては白い岩肌だった場所も、現在は茶色く変色し風化が始まっています。
2005年にも石の崩落があったり危険性が高いので、磁石場内は立ち入り禁止になっています。

泉山磁石場内を見てみたい人はどうすればいい?
場内への普段の立ち入りは禁止されていますが、絶対に入れない訳ではありません。
特別な調査や学術研究などの名目がある人は、行政から許可が出るのかもしれませんが、一般人はそうは行きません。
かといって、勝手に入ったら不法侵入ですので絶対にいけません!
では、どんなタイミングで入れるのでしょうか?
イベント情報をチェックする
磁石場内でイベントを行うことが、ごく稀にあります。
この記事を書いている2019年3月現在で、最近あったイベントをご紹介すると「ニッポンたからものプロジェクト」と呼ばれる日本遺産と伝統芸能を広めるプロジェクトが文化庁などの主催で行われており、有田でも公演(2019/3/9)がありました。
この公演は泉山磁石場内にステージが用意され、和太鼓・津軽三味線の演奏が行われました。
滅多にない機会ですので私もこのイベントを観覧しました。
この記事でご紹介している写真はその時、場内で撮影したものです。残念ながらイベントの模様は撮影禁止でしたが、太鼓と笛と三味線の音が岩肌に響いてとても良い演奏でした。
こういったイベントを不定期ですが行う場合があります。
大抵のイベント情報は有田町の観光協会ホームページに情報が出ますので、磁石場内に入ってみたい人は是非チェックしてみてください。
まとめ
泉山磁石場の場内への立ち入りは禁止されていますが、磁石場内を一望できる高台までは、現在も入ることができます。
アクセスですが、近くに無料駐車場もありますし、JR上有田駅から徒歩で約15分程です。
興味のある方は、有田焼・日本磁器発祥の場所へ一度足を運んでみてください。

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